最近話題になってきているGPGPUを活用したビデオトランスコーダのBadaboomメディアコンバータのバージョン1.1がリリースされました!
待ちに待っていたので早速使ってみました。
Badaboomは普段性能を持て余しているGPUを使って高速なH.264エンコードができるのが魅力的なソフトです。
がっかり音質
ベータバージョンの時に使ってみた時に音声のビットレートがいくつに設定しても61kbpsになってしまう現象が起きてました。
まだ開発バージョンである為なのか、はたまたトライアル版の制限なのかと思っていましたが、いざ正式リリースのバージョン1.0を購入してみても一向に改善されていませんでした。「折角映像のエンコードが速いのに音声がヘタレだと台無しじゃねぇかクソが!」なんて思ったのは俺だけではないはず。実際に公式フォーラムでも「Poor audio quality」とか言われて騒がれてました。加えてAVIファイルのほとんどが読み込み不能でほぼ全滅状態という絶望的な状況に陥っていました。
Poor audio quality | badaboomit.com
待望の改良版?
そんなそんなで以前から12月リリースと予告されていたバージョン1.1が遂に一昨日リリースされました。早速使ってみました。
アプリケーションを立ち上げてのメニューから『Upgrade your Badaboom version』なるものを選択してみましたが、結局はダウンロードサイトが開かれるだけでセットアッププログラムを手動ダウンロードしなければならないようです。ちなみにセットアッププログラムは自動で上書きインストールしてくれます。
使ってみた
エンコードしてみましたが、見た目はあまり変わらないようです。それにしてもDivX6でDVD程度の画質では時折100FPSを超えることもあるほど高速な変換。それでもCPU使用率は30%ぐらいでした。変換中にほかの作業がスイスイできます。
ちなみに変換中に小さいウィンドウ表示にしてプレビューすることもできるので便利ですね。
さて気になる音声ビットレートですが、128kbpsに設定してみたところちゃんと設定どおりのビットレートで変換されました。しかし、なんだかAACの128kbpsという割に音質が悪いような。。MP3の128kbpsと同等以上の音質と言われる96kbpsで試してみたところ、結構がっかりな音質でした。もうちょっと改良されればありがたいですが、128kbpsでなんとか聴ける程度にはなったので良しとしておきます。
まだ残る不安
しかし、まだ他にも不満な点はいくらかあります。ひとつは画質。クオリティベースの画質設定が3段階しか選択できない事。しかも最高に設定しても動きの激しいシーンでビットレートが十分に上がってないないようで画質が落ちることがあります。
それと、入力ファイルのパスに日本語が含まれると読み込みに失敗してしまいます。メジャーなソフトでも海外製のは未だにそんな欠陥があるとは残念です。。。
それでも便利でオススメ
でも最大のウリであるエンコード速度は非常に速く、当方の環境(Athlon X2 4850e,GeForce9600GT)でDVDから吸い出した1時間30分の映画を最高画質(クオリティベース)でエンコードしても25分程度しか掛かりませんでした。画質に限度があるとはいえ、モバイル用の低ビットレートエンコードとしては十分すぎる性能なので実用に問題はありません。ちなみに、iPod用で画質最低でエンコードしてみたところ、平均250FPS程度もの速さを叩き出し、画質もさほど悪くありませんでした。
ちなみにYouTube向けのプリセットは存在するのですが、ニコニコ動画向けの512×384ピクセルという解像度は選択できません。縦か横の解像度が一致すれば自動的にアスペクト比をあわせてくれるのでなんとかなるのですが。。。ということで、ニコニコ動画向けの高画質動画はまだ作れなさそうです。(HE-AACにも対応していませんし)
なお、トライアル版は30日間またはエンコード回数30回という制限があります。シリアルキーを購入すれば永久使用できますが、トライアル版のアプリケーションからアクセスできる購入ページは北米専用になっているので、日本にお住まいの方は公式サイトのインターナショナル購入ページから購入する必要があります。俺が購入した時は20.13GBP(日本円で2700円くらい)と割とリーズナブルでした。クレジットカードがあればすぐ購入できます。
GPGPUの今後に期待
専用ハードウェアと違って汎用的な処理をさせることができるのがGPGPUの魅力です。その為、TMPEGEncやLoilo、Adobe CS4などいろいろな方面でGPGPU対応のソフトがどんどん出現しています。それにnVidiaから汎用開発言語の『CUDA』が無償提供されていることもあり、一般の開発者も簡単にGPGPUを使うことができるようになりましたし、最近のPCに搭載されるGPUの基本水準も飛躍的に向上しています。なので今後はより一層の普及が見込めるのではないかと思っています。
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